今回は、メダカ家でも夫婦ともに加入している確定拠出年金から確認します。
確定拠出年金には、企業型と個人型の2種類があります。
先に個人型確定拠出年金(iDeCo)については読みたい方は、下記の記事をどうぞ。
今回は、メダオが加入している企業型確定拠出年金(企業型DC)について確認します。
- 企業型確定拠出年金ってなに?と思う方
- お勤め先が企業型確定拠出年金を導入しているけど、メリット・デメリットが分からない方
- マッチング拠出したいけど、どれぐらいおトクが分からない方
企業型確定拠出年金(企業型DC)ってどんな制度?
国の公的年金にプラスして受け取ることが出来る、企業が任意で加入する年金の1つです。
企業年金の種類
企業にお勤めの場合の年金は、国の公的年金(厚生年金)にプラスして
お勤め先の企業が企業年金に加入していれば、その企業年金分をもらうことが出来ます。
企業年金の種類は、下記のように色々あります。
- 確定企業給付年金
- 確定拠出年金
- 厚生年金基金
- 税制適格退職年金(2012年3月制度廃止)
- 中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度
- 自社年金
年金ってただでさえ分かりずらいのに、企業年金だけでも色々ありますね。
メダオの会社では、2015年に①確定企業給付年金⇒②確定拠出年金に移行しましたので
この2つについて制度の概要を確認します。
確定給付年金(移行前の制度)
年金受給者の受け取る金額が、原則確定している年金です。
- 掛金は企業が拠出(支出)して積み立てる
- 年金基金が、年金資産の運用を行う
- 原則、受け取る年金が確定している
- 年金資産は基金(会社)のもの
- 受給資格は勤続15年以上かつ55歳以上で退職した社員
- それ以外は退職時に脱退一時金を受け取る
原則、給付額が確定しているけれど、
- 自己都合退職による減額
- 懲戒解雇者には支給しない
- 会社の業績によって給付額の減額
- 基金の解散によって、精算される可能性
などのリスクもあります。
企業側にとっても、株価が右肩上がりの時代は良いですが、運用リスク等がありますね。
確定拠出年金(移行後の制度)
会社が毎月拠出(支出)する額が決まっている年金です。
- 掛金は企業が拠出(支出)して積み立て、60歳以降の年金資産とする
- 従業員自身が、年金資産の運用を行う
- 運用成績によって、受け取る年金が変わる
- 会社の拠出する掛金は、拠出した時点で社員の個人資産となる
- 3年以上勤務すれば、退職してもその時点の年金が持ち運べる
- 3年未満の退職は、会社が拠出した掛金は返還(会社の規約による)
企業型確定拠出年金のメリット【3つの税制優遇措置】
企業年金を、確定拠出年金に移行するからにはメリットがあるはずです。
メリットを確認してみましょう。
①運用益は非課税
一般的な金融商品を個人的に運用すると、その運用益には約20%課税されますが
企業型確定拠出年金での運用で得た利益は、全額非課税です!
②年金資産の受取時に控除あり
60歳以降、遅くとも70歳までの間に給付を開始します。
その際、積立てた年金資産を受け取る際に3通りの方法があり
税金の計算上、優遇を受けることが出来ます。
- 年金として受け取る場合・・・公的年金等控除が適用される(雑所得)
- 一時金として受け取る場合・・・退職所得控除が適用される(退職所得)
- 年金と一時金の組み合わせ
③マッチング拠出制度【最大メリット!】
会社が拠出する掛金に上乗せして、社員が自らの給与の中から掛金を拠出できる制度です。
(注)企業型確定拠出年金を導入している会社が、マッチング拠出制度を取り入れていなければ、利用出来ません。
個人が拠出した掛金部分は、全額が所得控除の対象となり
税金(所得税・住民税)が減額されます。
マッチング拠出の限度額は下記のとおり。
- 個人の拠出額は会社の拠出額が上限
- 会社掛金+従業員掛金の合計額が55,000円以下(他の企業年金がある場合27,500円以下)
メダオの会社は拠出額24,000円なので、同額の24,000円をマッチング拠出しています。
24,000円×12ヶ月=288,000円が、1年間で受けられる
「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象です。
会社のお給料から天引きされている為、年末調整で自動的に控除を受けることが出来ます!
それでは、どれ位の減税効果があるか見てみましょう。
同じ金額のマッチング拠出をしていても、収入によって減税額が変わってきます。
社会保険料控除と基礎控除以外の所得控除は考慮せず、住民税も一律10%として
ざっくりと計算してみました。

年収4,420,000円の場合、所得税と住民税を合わせた減税額は43,200円です。
これは1年間の減税額なので、仮にお給料が変わらなかったとしたら
5年で216,000円、10年で432,000円、30年で1,296,000円の減税です。
節税の選択肢が少ないサラリーマンにとっては、大きな節税効果です!
マッチング拠出は、2012年1月から導入された税制メリットです。
先日金融庁が発表した報告書の内容、「人生100年、2000万円不
の話題が賑わいを見せています。ですが既に2012年1月には、政府は国民に対して
少子高齢化が進むため、後年世代ほど公的年金が目減りする可能性が高くなるため、
その目減り分を自助努力で補うように、この制度を導入したことが分かりますね。
その他:手数料は企業負担
口座管理手数料等は全額企業負担で運用出来ます。
個人型の場合は、手数料は当然に個人負担なので、メリットですね~。
企業型確定拠出年金のデメリット
原則60歳まで現金化できない
途中でお金が必要になったときも、下記の例外を除いて引き出すことは出来ません。
- 加入者が死亡した場合・・・ご遺族が死亡一時金として受け取り
- 加入者が障害を負った場合・・・障害給付金として一時金又は年金で受け取り
【注意】50歳以降で加入した場合
原則60歳になれば現金化できますが、50歳を超えて加入した場合の給付請求できる年齢は
下記の区分となっているので注意が必要です。

勤め先が導入していなければ、加入できない
企業型確定拠出年金制度を、お勤め先が導入していることがまず要件です。
企業型確定拠出制度を導入していても、マッチング拠出制度を導入していなければ
マッチング拠出は利用出来ませんので、お勤め先に確認が必要です。
運用成績によっては、年金資産が目減りする可能性がある
自分の選んだ運用成績によっては元本割れを起こすリスクがあります。
運用商品は複数用意されているので、リスクとリターンをよく理解することが必要です。
企業から退職一時金を受け取った場合
企業から退職一時金を受け取った場合には、
確定拠出年金の年金資産を受け取る際の税金の計算が異なります。
こちらは、後日別途記事にします。
まとめ
企業型確定拠出年金のマッチング拠出については、私は断然おススメしております。
企業型を導入している企業にお勤めであれば、
- 毎月決まった日に安定したお給料収入がある
- 金融機関が決まっているので、運用商品を選ぶだけ(1段ハードルが低い)
- 運用管理費用は会社負担
- 事務手続きもお勤め先を通して行うのでラクラク!
からです。
60歳まで引き出せない。資金が拘束される。というデメリットを差引いても
マッチング拠出による税制優遇は大きく、私の大好きな プラスマイナス超プラス!
どうしても元本割れしたくない場合、元本保証の定期預金で運用すれば
所得控除により減税される部分が純粋におトクになるわけです。(インフレリスクは除く。)
とはいえ、ご自身の年齢や収入、運用方針、その他の運用状況によっても異なるので
メリット・デメリットをよく理解して決めましょう!